失くすこと

失くすこと
お疲れ 今女の子二人と飲んでます。来ませんか。

彼女は早々に退社してて、そんな誘いのメールが入って、昨夜はふらりと。
店では当人とお仲間のほか、以前紹介してもらった女の子が一緒に飲んでて、思わぬ再会。
26才、10才差。その頃の自分て、何を思って仕事してたろうか。
もう仕事もどん詰まり感。手につかない。
そんな鬱憤を晴らすように、昨夜はこの若い女の子といっぱい話した。

この子、自分の目をじっと見つめて話すこと。
恥ずかしくなる。こっちの方が目を逸らしたくなる程に。

羨ましいと思った。
自分だって、そんな風に彼女だけを見つめて話したい。

でも、できない。
好きでもない子になら、何でも聞けるのに。

  白頭山

終電の時間にみんな別れて、自分だけまた飲み屋街へと歩いて、上着をなくして。


今日は朝からそれを探して。見つけきれずに警察に届けて。

でも、本当に失くしたのは、きっと自分自身で。

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