敵わぬこと

外勤から戻ったら、髪を結った彼女とばったりと。

風邪を引いたそうでマスク姿。
目しか見えないのに、立ちすくんで見とれてしまった。

声はガラガラで、時折り聞こえる咳もつらそうなのに、仕事に出てきたばかりか残業までも。

まだ一年目なのに、何をそこまで頑張ってるのか。

「大丈夫?」とも声を掛けれず、ひたすら想いを押し殺すだけ。


敵わないのは、世の女性ばかりではなくて、きっと自分も。

name
email
url
comment