伝えること

打ち明けたいと思った。本当は神のいます地にいる間に。
でもそれで彼女がその手を差し伸べてくれなかったら、無事には帰れない気がして。

そして帰路の途中、鬼の舌震を散策して。
もうすでに2度振られていること。その由来が彼女と重なる気がして。
彼女は美しいお姫様で、そして自分が悪い鬼で。
震えあがった。

そうして恐れおののきながら、彼女の住む街へと。
もしもこの先で、彼女が待ちわびてくれてたとしたら、どんなに幸せだろうかと。もう睡魔も寄せ付けず。

でも近付こうとするたび、霧なのか靄なのか、行く手の視界を遮るように。
まるで鬼の舌震で目にした、大岩のように。

  
奥出雲おろちループ

  
関門海峡

これが彼女の気持ちなのかと・・・。
そう思ったら、無事に帰れた昨夜も心が折れて打ち明ける勇気がでなかった。

そして今日、会いたい。

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