不倶戴天

不倶戴天
こいつは他人の壊れていく様を、面白おかしく眺めてたんだろうなと
ばったりと出くわせば戸惑うふりして、心の底ではほくそ笑みながら

そのからくりを悟って、思い出したら心あたりの記憶の数々
ああなるほどって、今さらながらの納得


想う気持ちをもて遊んでるだけじゃないか

こんな奴に、
心のなかを覗き見られて
思いのままに操られて
いいようにあしらわれてしまったという
これ以上ない屈辱

化けの皮さえ剥がしてしまえば、大したことない。
今にして思えば、見せつけられてたのは醜悪な笑みだったではないかと

我にと返って、正気を取り戻せたということ
もう二度と惹かれることも、揺さぶられることもない。

愚かであったのは、誰かに分かってほしくて、苦しいままに書き綴ってしまった自分のほうで。
それももうありえない、金輪際。


結んでくれなかったのではなく、この身を案じて結ぶことをしなかったかの地の神様
以前は恨み節をこぼして、今では感謝。

倶ニ天ヲ戴カズ

そういう縁(えにし)だったということ

やっと分かって、何の後悔もないということ

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