逃げること

逃げること
振られて言葉を交わさなくなって、目もろくに合わせなくなって。
彼女が担当する庶務的な仕事も、電子化されて接する機会も皆無になって。
それでもお互いの仕事は回る。
今でも強く惹かれて激しく揺さぶられるのに、実は繋がってなかったということ。

みじめだ。


彼女は昨日も残業。

彼女は恐れていないのだろうか。
次に一緒に残ったとき、またどうにもならないことを口走ってしまうかもしれないのに。

彼女の存在が大きくて、
そのあまりの大きさに、恐れおののいて逃げている。


そうして逃げている間に、やるべきことは見る間に膨らんでしまった。

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